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地域振興部門・優秀賞


  神奈川県横浜市
 有限会社北見畜産
(代表 北見 信幸)
地域交流をめざす養豚経営
−都市化の進む中で消費者の評価を求め、地域と連携する養豚−

  北見畜産の所在する横浜市戸塚区舞岡町は、JR東海道線戸塚駅の東側約1kmに位置し、102.6haの集落で、地区の中心には横浜市営地下鉄舞岡駅がある。
  舞岡地区の周囲は市街化地域で、市街に囲まれた良好な田園景観を残す農業地帯である。
 北見畜産は、昭和40年に本格的に養豚に取り組み、現在、母豚130頭の一貫経営を営むとともに横浜市優良種豚組合からの委託でデュロックの純粋種の生産、配付を行い、市内養豚家の種豚改良に貢献している。また千葉県に母豚800頭の一貫経営の千葉農場を開設し、北見信幸氏の弟夫婦等が経営にあたっている。その間、農業実習生としてアメリカに渡り1年間養豚の実習をしている。
 信幸氏は、アメリカ研修や農業経営士会の交流などの幅広い知識のもとに地域農業の重要性を認識し、都市化の進む中で消費者との連携にいちはやく着目し、豚肉の評価を消費者に求めるため、種豚の改良とともに豚肉の庭先販売や軽トラックによる引き売りなどで消費者との交流を始めた。このことはパートナーである妻の満智子さんの消費者との交流や販売に対する熱意に支えられたこともあり、都市畜産の方向性を示し畜産関係者の関心を集めた。
 平成に入り、市民と直結した農業確立を目標とした。農業構造改善事業(舞岡ふるさと村)の導入の検討が始まり、立ち上げの段階から積極的に参加し、「舞岡ふるさと村推進協議会」の役員として事業推進をはかるとともに栽培収穫体験ファームへの農地の提供と肥培管理の指導、たい肥の地域内流通還元、学校教育への協力参加など、行政との連携のもとに積極的に地域交流に貢献している。
 一方、自らも事業参加し、「ハム工房まいおか」を開設し、生産した豚肉やハム、ウインナーソーセージ、焼豚などを直接消費者に販売するルートとした。「ハム工房まいおか」は単なる販売にとどまらず、手づくりウインナー教室等体験教室が好評で、市民が年間1,000名以上参加し、自ら作る楽しみを与えており、調理経験の豊富な「女性の力の活用及び協力」と「顔の見える責任のある販売」で年間7,000万円強の販売実績で養豚経営の安定と地域振興に貢献している。
 10年前にパソコンを導入し種豚生産・販売・経営管理等に使用するとともに、チラシの作成、インターネット販売などに広く活用し、積極的に経営改善に努め、消費者から愛される都市型畜産・地域交流型農業を展開している。

 
都市化が進む中でつくられた「舞岡ふるさと村」
北見畜産は市民と直結した農業の確立をめざした「舞岡ふるさと村」(横浜市指定)内で養豚経営を営んでいる。
  農場内を開放
市民がいつでも農場内を見学できるように、豚を展示している。
     
 
商品は100%舞岡産
北見畜産で生産された豚肉は、「ハム工房まいおか」にて精肉、ハム、ソーセージなどとして販売されている。
  地域交流型農業をめざして
「舞岡ふるさと村」では子供たちの芋掘りなど、市民との交流は日常的なものである。この村の活動において北見畜産は重要な役割を果たしている。