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埼玉県比企郡嵐山町 農事組合法人セイメイファーム 嶋田 匡武(養鶏経営) HACCP対応の養鶏と鶏卵の加工 第50回全国農業コンクール名誉賞 (主催:毎日新聞社・山口県・財団法人富民協会) |
農事組合法人セイメイファームは、昭和40年以来、計画的に体制や施設の整備・拡大を図り、現在、構成員8名、社員23名、雇用18名により成鶏21万4千羽、育成鶏7万3千羽を飼育する規模にまで成長し、鶏卵生産量は3,690トン/年で、鶏卵約6億6千万円、鶏卵加工品約4億円、ほかに鶏ふん堆肥を売り上げている。 飼料は自家配合とし、鶏は近代的な育成鶏舎、成鶏舎で幼雛から成鶏まで一貫して飼育し、生産した鶏卵の一部はGP(鶏卵処理)センター、加工場を経て、焼きプリン、マヨネーズに加工する。飼料配合プラント、鶏舎環境の制御、飼料給与、鶏ふん処理にいたる飼育工程は自動化がすすみ、1人当たりの飼育羽数は4.1万羽、1時間当たりの鶏卵生産量は240sで、労働生産性は高い。また、GPセンターにおける鶏卵の処理や販売の過程もシステム化され、全工程がコンピューターにより省力、省コスト管理される。この結果、鶏卵生産費120円/kg、販売価格178円/kg前後、さらに、プリン、マヨネーズ加工による付加価値の向上も加わり収益性は高い。 生産性、収益性の向上とともに本経営の大きな特長は、安全で栄養価の高い鶏卵を生産して消費者に届ける構想に見られる。ここでは、HACCP(食品の危害分析・重要管理点監視)の考え方に基づいて鶏卵の生産・加工の衛生管理を徹底し、雛のワクチン処理、鶏卵のサルモネラ検査、GPセンターの不良卵検査、自主衛生管理の実施、鶏卵のコールドチェーン販売の原則化などにより鶏卵の安全性確保に努力する姿勢は高く評価される。 鶏ふんの処理利用にもいち早く取り組み、環境対策とともに良質たい肥の生産供給によって、嵐山町の有機リサイクル、地域農業の振興に貢献している。このように経営者の新しい感覚により、生産の効率化に加えて、安全な鶏卵食品の供給、HACCPの考え方に基づく商品の生産管理体制の整備、耕種農家との連携、環境保全、人材育成などの今日的な課題に取り組む優れた経営体である。 |
卵の品質検査 生産された卵は、毎日、品質及びサルモネラ等の検査を実施し、安全な製品を供給している。加工品についても毎日検査を実施し、常に安全な製品を確保している。 |
GPセンター 鶏舎から集卵ベルトにより運ばれた卵を、選卵・殺菌・検卵・パック詰め・製品保管(冷蔵庫)と一体的に管理されている。 |
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コンピューターによる集中生産管理 集中管理センターでは、自家配合飼料プラントのコントロール、鶏舎及び鶏群の管理を行い、成鶏220千羽経営を担っている。 |
マヨネーズ充填作業 マヨネーズと焼きプリンは、加工部門の主力商品である。 |