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新得町立レディースファームスクール 代表 斉藤敏雄 氏 |
北海道上川郡新得町 新得町立レディースファームスクール (代表 斉藤 敏雄) レディースファームスクールによる酪農振興 −将来営農したい方、農業へ関わりの夢を抱き続けているあなたへレディースファームスクールは一歩踏み出すお手伝いをします。− |
レディースファームスクール(校長 斉藤敏雄)が所在する新得町は、大雪山系の麓で、十勝平野の最西部に位置し、平均気温が6.5度で寒暖の差が激しい。基幹産業は農業で、平成10年度の農業粗生産額のうち畜産部門は約41億円で全体の約69%を占めている。 北海道の農村において、最も深刻な悩みの一つに歯止めのかからない農家戸数の減少があり、新得町においても深刻な問題であった。老齢化・硬直化した地域を活性化するためには、若者の活力に期待するしかないが、その若者が絶対的に不足しているのである。地域に若者が不足している以上、他の地域(都会や本州)からの移入を促すしかないが、効果的な具体策はほとんどなく、掛け声ばかりで実績に乏しい実態にあった。 農業や農村に真面目な興味を持つ若い女性は決して少なくなく、拒絶感は想像以上に小さいのである。ただし、農村で農業に従事することが結婚に直結することには大きな抵抗感がある。若い女性にとっても職業や居住地の選択と結婚は全く別のものである。どこに住み、何を職業としようと、良い伴侶とめぐりあい愛情が芽生えた後、初めて結婚を意識することに変わりはない。 新得町では女性を農業の担い手と位置付け、平成8年8月に就農を目指す独身女性のための研修施設として「レディースファームスクール」を開校した。 毎年、酪農を主体とした研修生を10名以上受け入れ、平成12年度は第5期生として、酪農9名、畑作4名の計13名が研修している。研修生はスクールで生活し、農家に通って実習しつつ毎週1日は農業の専門講義を受けている。同じ夢を持つ同志の集団生活と温かい受け入れ農家の対応は何よりの励ましであろう。 また、受け入れ農家にとっても、若い女性に受容される職場や家庭の在り方を追究するなど意識改革が進んでいる。研修生は地域の行事に積極的に参加し、町民との交流を通じて相互理解を深めている。 第4期生まで43名の修了生がいるが、うち26名が町内に在住し、このうち、酪農15名、畑作2名、肉牛3名が若き農業者として活躍している。なお、町内では5名が結婚しており、うち3名は後継者の伴侶として地域の永続的振興に寄与している。また、町外修了生のうち11名は農業に従事している。 以上のように、新得町立レディースファームスクールは若い女性の農業従事者を育てることを通して、地域の活性化と振興に大きく寄与する機能と実績をもち、将来にわたって大いに期待されている。 |
平成12年度研修生 これまで43名が研修を修了している。平成12年度は第5期生となる。 |
レディ−スファ−ムスク−ルの施設 研修生が1年間生活する施設。研修生のプライバシーにも配慮していることから、宿泊する部屋は個室が中心となっている。 |
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酪農家における作業 講義のみならず、1年間で町内4戸の農家で実習を行う。これにより様々な経営や作業内容を学ぶことができる。また、農家のみなさんからも自分の娘以上に可愛がられている。 |
研修生、研修修了生は町内農家にとっては大切な人材 「研修生が農家で実習することで、環境整備や生産意欲が高くなり、農家の意識が改革された」と研修生の受け入れる農家代表の太田義正さん。 |