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畜産大賞・指導支援部門最優秀賞 | ||
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日本最南端に位置する八重山諸島は、亜熱帯の気象条件を活用して、現在、畜産、サトウキビ、熱帯果樹、花き、水稲、パインなどを主体に農業が営まれている。
特に畜産部門の肉用牛が堅実に進展し、県内の肉用牛飼養頭数の46%を占め、地域農業の基幹作目に位置づけられている。 沖縄県八重山家畜保健衛生所は、防疫衛生課(家畜防疫衛生業務)と振興課(畜産振興業務)及び与那国駐在の2課、1駐在体制を持つ。その業務体制上の特徴と有利性を最大限に発揮して、独自の役割と同時に関係機関、団体、生産農家との連携による多種な指導支援の取り組みの中心的役割を果たしている。 七重八重に群がる八重山諸島は、古くから牧畜業が盛んに営まれ、各地に大小の放牧場があり、牧人珠という強い絆で組合運営をしながら肉用牛の生産振興に積極的に取り組んでいた。 しかしながら、牧野に生棲するオウシマダニが媒介する法定伝染病であるピロプラズマ病の発生まん延によって莫大な被害、損耗を受けてきた。このことに鑑み、昭和46年度から国庫補助による牧野ダニ(オウシマダニ)対策として駆除、清浄化、撲滅、清浄維持事業を継続し、28年間の歳月をかけてオウシマダニ並びにピロプラズマ病を完全に撲滅し、郡外、県外へ移出する牛の移動制限を解除することができた。 それと共に大型の畜産基地建設事業等の導入によって未利用、低利用の土地の基盤整備が着々と造成され、粗飼料高位生産によって画期的な肉用牛の生産振興が大きく推進された。 多様な指導支援事業の中で、特に(1)子牛生産率・育成率の向上、防疫衛生労働の節約を可能にしたオウシマダニ・ピロプラズマ病の撲滅、(2)牧養力の向上と生産・管理労働の節約を可能にした牧野・草地の整備・改良に成果を上げている。それは、当地域の1戸当たり頭数規模拡大、地域総頭数の拡大、産地の競争力の強化、肉用牛生産の振興、ひいては、地域活性化を達成してきている。 特に世界的にみても例のない極めて困難なオウシマダニ・ピロプラズマ病の撲滅を石垣市1島、竹富町9島、与那国町1島という多くの離島地域という極めて不利な条件のもとで、長年にわたる、試行錯誤、創意工夫、地域をあげての連帯の中で実現できたことは今後の肉用牛生産振興の大きな条件整備である。 |