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経営部門特別賞
香川県 農事組合法人 東山産業(採卵鶏経営)
農業経営の永続的発展をめざして30年

 第38回 農林水産祭 日本農林漁業振興会会長賞受賞
 第48回 全国農業コンクール全国大会 名誉賞受賞
     [ 毎日新聞社、(財)富民協会]

 東山産業は、昭和41年以降、採卵養鶏を中心として全面協業をすすめてきた農事組合法人で、設立後33年を経た現在、代表者を含め2世代目を主力とした12戸の組合員に雇用45名を加えて、「永続的発展をめざした農業経営」を実践している。
 成鶏飼育羽数19万羽(他に育雛7万羽)、鶏卵年間販売数量3,773tで、販売額8億7,258万円、この他に鶏糞堆肥販売などの収入がある。設立当初は飼育羽数の規模拡大を心掛けたが、最近は、鶏卵生産過剰の情勢から、むしろ直販所、銘柄卵の生産など販売面の強化を策し、現在数種類の銘柄卵を生産し、GPセンターの設置、農協全面依存からの脱皮、生協販売への移行など、堅実であるとともに時代を先取りした経営を行っている。
 鶏卵生産性は、年間産卵重量19.7kg/羽、飼料要求率2.2で、雛の育成成績もよく、また、1人当たりの労働生産性はオープン鶏舎、ウインドレス鶏舎ともに高く、飼育技術は高水準である。一方、経営内に施設部を設けて古い鶏舎施設、堆肥生産施設などの改善改良を図って過剰な投資を避け、さらに、衛生対策の徹底、鶏卵の安全性確保、品質向上により、鶏卵の生産コスト196円/kg、販売価格214円/kgと高い収益性を実現している。
 本経営体は、組織運営に当たり設立時の全面協業の理念を存続しながら、同時に新しい飼育技術革新、流通改革を活発にとりいれ、積極的に安定した農業収益を確保している優れた実例である。
 また、法人の代表理事である志渡氏は、香川県農業経営者協議会会長、同協議会の法人部会長等をつとめる、県内での企業的農業経営のリーダーでもある。県主催の会合や研修会には積極的に参加し、農業者としての意見等を提言されている。特に研修会では、志渡氏が実践されてきた協業経営による規模拡大、経営改善での様々な工夫、さらには農業哲学や経営理念について話しをされ、このことは経営体を目指す農業経営者に企業者マインドの啓発と高揚を促し、彼らの経営改善や規模拡大を行う上で参考になる思われる。