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指導支援部門・優秀賞
北海道 浜中町新規参入促進事業推進協議会
浜中酪農の次代の担い手を育てる
酪農支援システム
 
 浜中町は、北海道東部、釧路市と根室市のほぼ中間に位置し、農業と漁業を基幹産業として発展している町であり、町内の農家のほとんどが酪農経営を営んでおり、酪農は地域の基幹産業である。
 しかし、高齢化や後継者不足から離農も相次ぎ、昭和50年代には300戸以上の乳牛飼養戸数が現在では213戸まで減少した。後継者問題や不慮の事故などで、今後もある程度の離農を予測せざるを得ないことから、その対策として新たな担い手確保が重要となってきたことから、昭和58年から農外の新規就農者を迎え入れ、新しい担い手としての位置付けを行った。
 しかし、新規就農希望者で即就農できる家族を確保する事は難しく、一方他産業の未経験者から希望が多くなり、就農者の確保のため独自で養成しなければならなくなった。
 そのようなことから、就農者研修牧場を平成3年に開設し、更に関係機関・団体、先進農家との連携・協力により、農業体験及び入植を希望する者の営農技術の習得活動の支援を行い、入植を開始するための支援、及び入植後の経営安定のための支援等を円滑に実施するため、町、農業委員会、普及センター、共済、農協等で「浜中町新規参入促進事業推進協議会」を設立した。
 これまで新規就農者は、昭和58年から平成10年までで14戸。11年は2戸就農予定である。また現在、研修牧場に6名、農家に1夫婦と3名が研修中である。
 また、研修牧場研修生や新規就農者の支援システムの構築は、一般酪農家に対する支援システムでもある。国内で最初の未経験者への農業者養成施設として発足したが、各関係機関が今後の農業者養成機関として、このような施設の有効性を改めて認識した。更に、研修牧場から他町村へも就農したことから、今後の管内広域化利用に向けた役割も果たした。新規就農者が離農跡地に入植する事により、今までの生産活動や地域社会活動が継続して行われ、さらには、従来の農村社会にとらわれない新しいシステムの導入がなされた。