HOME畜産大賞の概要平成11年度選賞事例一覧
経営部門最優秀賞
北海道 池田 邦雄(酪農経営)
地域に根ざした酪農を目指して

 第38回 農林水産祭 天皇杯受賞
 第30回 酪農経営発表コンクール 最優秀賞受賞
      [ 財団法人 森永酪農振興協会 ]

 
 池田牧場は、日本の最北端に近い北緯45度、平均気温5度、9割が泥炭地という悪条件にあり、57haの牧草を基礎とする放牧型経営牧場である。草地は「牛が管理する」との認識のもとに、化学肥料、除草剤、農薬等は10年以上使用していない。成牛51頭、育成牛11頭合計62頭を飼育し、生乳年間生産量291t、経産牛1頭当たり乳量は8,000kgに達している。年間乳代粗収入は2,184万円、子牛、育成、経産牛販売高460万円、収入合計2,644万円を確保し、生産原価38円という驚異的な水準にある。
 池田氏はデータの把握、多様な情報の収集、管理技術の向上に日夜精励を重ねる戦略家であり、粘り強い実行力と技術レベルを誇っている。また、家族(特に妻)との話合いを大切にする一面を持つ。
 これまでの日本の優れた酪農経営は、獣医学的、栽培学的、工学的な側面で新しい境地を拓いてきたが、氏の経営は生態学の観点から高く評価される。
 家畜と草の相互の関係の深い観察にたって、そのバランスの向上にきわだった能力を発揮している。
 しかも、このことを自分の言葉で話す事が出来る日本酪農にとって貴重な存在である。