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指導支援部門・優秀賞 |
効率的な指導支援の体系化によって取り組んだ肉用牛産地作り
宮崎県児湯農業改良普及センターのみなさん |
◆はじめに
児湯農業改良普及センターは、職員数31名で、3課6係制により管内1市5町1村を管轄しています。 宮崎県は、農業粗生産額のうち約50%を畜産で占める畜産王国で、普及センター管内においても養豚、養鶏、肉用牛が盛んな地域です。 なかでも肉用牛(繁殖牛)は、1,576戸で13,254頭(平成10年4月現在)で1戸当たり平均飼養頭数8.41頭と宮崎県の和牛子牛の生産基地でもあります。 当普及センターでは、児湯畜産技術員連盟の絶大なるバックアップを受け、平成7年度より児湯畜連家畜市場において、2カ月に1回開催される子牛セリ市の際に、大勢の肉用牛農家を対象とした飼養管理研修会を開催し、毎回好評を博しています。 ◆具体的な活動内容 センターの畜産係職員3名が、毎日交代で同じ内容について研修指導しています。現在までに、肉用牛関係の技術情報に加えて、農作業事故防止、水稲関係の防除、気象状況など農業者のニーズに応える内容として発展しており、毎回の受講者は1,000名を越えるほどです。ここにいたるまでには、技術員会での調整や、県内外からの購買者のニーズを積極的に研修内容に盛り込むなど、生産者、技術員、購買者などが一体となって「質と増体の児湯牛」づくりに努力してきた結果が伺えます。 また、通常の普及活動の中でもモデル経営(個別及び集団)を設置し、その中で技術の実証展示を行いながら、その成果をセリ市研修などの全体指導の場に生かしてきています。 ◆主な成果 支援指導体制の整備と機能の充実により指導の一本化を図った。 中核的経営、グループ等の活動の活性化とその活動内容が全体指導(子牛セリでの研修等)に生かされ、個別、集団、全体の流れのできた指導へとつながった。 畜産コンサルなど、経営計画の樹立と実践に向けた生産者指導と肉用牛モデル経営の確立に貢献。 地元の生産者、技術員のみならず、県内外の購買者のニーズを研修指導の場にフィードバックさせたことにより、生産者に対して『売れるものづくり』への意識づけを行った。 今回のセリ市場での研修会はその後、県内4市場(児湯を含む)で実施されるようになり、今回の取り組みがその牽引的な役割を果たした。 ◆おわりに 普及活動の展開方法として、モデル農家や重点対象集団(モデルグループ)の指導の成果をいかに地域全体に広げていくかという点で、普及センターでは今回の活動を継続発展していくことこそ、21世紀の普及の使命と考えています。 |