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経営部門優秀賞
「優良繁殖牛群の整備をベースとする高収益肉用牛経営」
笹森さん
笹森義幸さんと御家族 
 肉用牛経営者の笹森氏は、小学生の頃から将来牛飼いになる夢を抱き、農業高校を卒業と同時に後継者として牛飼いを始めました。 
 熱心な経営により今までに、(社)全国肉用牛協会主催の農林水産祭参加行事である平成9年度「肉用牛経営発表会」では農林水産大臣賞を受賞し、平成10年度(第37回)農林水産祭中央審査委員会においては、内閣総理大臣賞の受賞経験をもっています。 

 本人と奥さん、両親の4人で肉用牛の一貫経営を行うなかで、「優良繁殖牛群の整備をベースとする高収益肉用牛経営」をめざし、以下のことを念頭にして経営を行っています。 

自家産牛を中心とした優良母牛群の整備と管理の徹底による「年1産」と「有利販売」体制の確立 
未利用資源と自給資料の確保による生産コストの低減 
収益性を重視する肥育部門の取り込み 

 具体的な経営内容として、労働力の面で両親が水稲、畑作を担当するほか、粗飼料生産や繁殖管理の手助けをし、本人と奥さんは肉用牛の全般的管理を担当するなど作業・労働を分担して効率化を図っています。 
 自給飼料の確保には特に力を入れており、水田、転換田、畑を有効に活用し、トウモロコシ、ソルガム、イタリアンライグラス、エン麦を作付けするなかで、良質粗飼料の確保に努めています。このほか、河川敷に生える野草を利用したり、稲ワラ、大根葉などの副産物の利用も積極的に行っています。この結果、繁殖部門の飼料自給率は53%を上回り、経営に大きく寄与しています。 

 一方、肉用牛の飼養状況をみると、繁殖牛は自家産優良牛の保留に努めているため、自家産を中心とする牛群構成となり、期末の飼養頭数は成雌牛のうち75.6%が自家産になっています。肥育については、将来は経営内一貫経営を目指していますが、現在では子牛の販売価格が安定しているので、外部からの導入を中心とした肥育を行っています。