農林水産大臣賞・最優秀賞

自信と責任もてるブランド「かごしま黒豚」の
生産をめざして
 鹿児島県高山町 (有)大窪養豚(養豚経営)

大窪養豚は大隅半島の中央東南部の畜産、中でも養豚の盛んな高山町に立地している。大窪養豚は昭和52年からバークシャーの導入を図り、57年からはバークシャー専業養豚となっている。

大窪養豚は1戸1法人で2夫婦4人の家族労力で種雌豚110頭前後と肥育豚1000頭を飼育する地域内のバークシャー養豚のリーダーである。「かごしま黒豚」の銘柄確立と安心、安全、高品質化に向けて発表者自らいくつかの工夫を率先して行っている。

以下当養豚の評価すべき特徴点をあげると―

第1は、バークシャー特有の産子数の少ないことを少しでも改善するため、分娩は完全看護を行い、未熟児へのミルク補給、仮死状態の子豚の人工呼吸を行い子豚の損耗を防ぎ、その結果、種雌豚1頭当たりの子豚保有数は最高21頭、平均16頭の好成績をあげている。

第2は、安全、安心の「かごしま黒豚」生産のため衛生プログラムに沿ったワクチネーションを行い治療薬の投与は最少限にとどめている。

第3は、自家保留の種豚の近親交配を防ぐため県が造成した系統豚を計画的導入している。

第4は、「かごしま黒豚」の品質向上のため、さつまいも15〜20%を含んだ指定配合を使っていたが、現在一般に流通し、先駆者的役割を果してきた。

第5は、平成7年から「かごしま黒豚」の産直を行い、黒豚証明シールの貼付などを行い流通関係者や消費者の高い評価を得ており、枝肉1kg当たり660円以上の高価格を実現している。

第6は、昭和50年から税理士の指導を受けて複式伝票会計を取り入れ、自分で決算書の作成を平成2年の法人化後も続けている。

第7は、以上の工夫を努力の結果、経営成果として総所得3101万円、所得率32.8%のすばらしい成果をあげている。

なお、ふん尿処理施設もコンポスト・活性汚泥法で完全に処理している。

以上みるように大窪養豚「かごしま黒豚」生産のリーダーとして地道な活動をし、今日のすばらしい成果をあげていることが評価され、最優秀賞に決定された。