体格は大型化、乳用牛の特質に富む
―第11回全日本ホルスタイン共進会・
 第3回全日本ジャージー共進会―


 5年に1度の乳牛の祭典、第11回全日本ホルスタイン共進会が、平成12年11月2〜5日「晴れの国・酪農・ふれあい」をテーマに「ファームフェスタ2000inおかやま」と銘打って、岡山県児島郡灘崎町で開催された。

 加えて、今回は主催県岡山がジャージー牛飼養頭数全国1ということから、16年ぶりに第3回全日本ジャージー共進会も併せ開催された。

 平成12年は口蹄疫、雪印問題と、一時は開催が絶望視されたが、全国44都道府県から地域予選を勝抜いたホルスタイン297頭と12都道県から60頭のジャージー牛が出品され、過去最大規模の全国共進会となった。

 そしてこの共進会、各地で毎年行われる共進会とは別格で、先進的な酪農家はもとより、関係者が集う情報交換の場でもある。

 また、4日間を通じ会場では、広く一般消費者とのふれあいと交流を通じて、酪農・畜産に関する理解を深めてもらうため、牛乳・乳製品や畜産物に関する情報を提供するブースを設けたり、いろいろな体験コーナーや楽しいイベントが開催され、中国・四国の一般市民66万人の来場者でにぎわった。

第1回のホルスタイン全国共進会は1951年に神奈川県平塚市で出品牛157頭の参加で行われたが、1995年の千葉市内での開催を経て、今回の開催は半世紀目を迎える。

 さて、共進会で注目されるのは牛の体型だが、長期にわたって多くの牛乳を生産するためには、しっかりした骨格や形のよい乳房、丈夫な肢蹄が必要だ。そして、審査の重点や出品区分はそれぞれの時代に求められる乳牛改良の水準により毎回見直される。

 ちなみに今回は、出品区分の月齢が一層細分化され12区分となった。第1回当時は4区分、前回の千葉は9区分だった。12区分の内訳は未経産牛が24ヵ月齢未満までの5部、経産牛の区分は、3歳未満と4歳未満をそれぞれジュニアとシニアの2区分に分けたのが大きな変更点で、6歳以上までの3区分をあわせた7部からなり、これまで指摘された出品牛の産次の違いなどの問題が解消された。  審査基準は、@外貌(15点)、A肢蹄(15点)、B乳用牛の特質(20点)、C体積(10点)、D乳器(40点)の5区分、合計100点の標点で審査される。

 出品頭数は、都道府県の飼養頭数や登録実績により割当てられるが、今回の出品牛の多い都道府県は、北海道の42頭、地元岡山県の30頭、岩手県(21頭)、千葉県(15頭)、熊本県(14頭)の順となっている。そして優劣を決める厳しい比較審査が3日間にわたって行われた。

 ホルスタインの褒賞は12部門で、優等賞59点、1等賞95点、残りは2等賞と選別され、最終日に未経産、4歳未満経産、4歳以上経産の3部門の優等賞1席牛の中からそれぞれ名誉賞、準名誉賞が選ばれ、その中の1頭に高円宮杯(最高位賞)が贈られる。そして、最終日の名誉賞審査の結果、地元岡山県津山市の永礼淳一さん(27歳)出品の、経産4歳以上第10部出品牛「オラホームブレンダ デユリーガル スター ET」がみごと最高位賞に輝いた。

 永礼さんは、経産牛55頭を飼養する酪農経営で、共進会への出品予定牛は3頭いたが、中でもこの受賞牛が抜群のスタイルだという。「この牛は父(幸雄さん・52歳)が2年前に北海道の共進会でひとめぼれし、導入しました。特に幅、左右の外貌、乳房の形が抜群です。」とほれ込む。岡山県の共進会では、グランドチャンピオンを他の酪農家にさらわれた。「自信はありました。あの時の悔しさを全共にぶつけ、最高のコンディションに調整しましたから、今日は牛を堂々と引いて歩くことだけに専念しました」と審査委員から愛牛のおしりを押された瞬間の喜びに顔がほころぶ。

 また、第3回ジャージー共進会の最高位賞(内閣総理大臣賞)は、長野県高山村前田勉さん出品の経産3歳未満第3部出品牛「マジックチーフハイランド」にみごと輝いた。 共進会の閉会にあたり、「消費者が望む良質な牛乳と乳製品を供給することが重要。今後は乳量の追求だけでなく、乳質を考えた改良が必要となる」と審査委員長を務めた農水省家畜改良センター藤井吉昭所長は講評された。  次回開催は、2005年栃木県で行われることが確認され、新世紀に向けた新たな戦いの幕があがった。  開催関係者の皆さん、出品者の皆さん、ご苦労様でした。



本記事は、畜産コンサルタント2000年12月号にも掲載されています。
※情報は掲載当時のものです。