第23回東日本養豚協会
銘柄豚枝肉共進会上物率77.5%を達成
―東京都中央卸売市場・食肉市場―


 日本一の食肉市場である東京都中央卸売市場・食肉市場。当市場は、JR品川駅の港南口から5〜6分と交通至便の地にあり、北は北海道、南は沖繩まで全国各地から家畜が荷受けされ、屠畜・解体、セリを経て買参人に枝肉が販売される。1日の処理量は、牛350頭、豚1200頭ほど、セリへの参加者は全国最多、取扱高は1058億円の巨大市場である。

 近年、精肉取引はセリ取引から相対取引にシフトしているものの、市場取引のシェアは豚肉で約20%、そして、ここで形成される卸売市場価格は、日本各地の食肉流通における建値形成の役割も担っており、その重要性、注目度は極めて高い。

 そこで、「正当な評価は市場取引から」と、当市場の全豚肉取扱量の約25%を出荷している東日本養豚協会(矢吹省一会長)が、このほど開催した第23回東日本養豚協会銘柄豚枝肉共進会の模様を紹介する。

 平成12年7月5日、この日に出品された豚は東北や北関東の生産農場で生産された302頭。午前8時半から屠畜・解体、午前10時には巨大なハンガーにぶら下がった見事な枝肉が冷蔵庫にずらりと並ぶ。

 そして、その枝肉に(社)日本食肉格付協会の格付員が格付印を押し、「極上」の格付を得た枝肉のなかから、更に16頭を選び出し、審査が行われた。

 審査は生産者を含む市場関係者等20数名の審査員による記名投票によって行われた。枝肉の背脂肪厚、外観、肉質、光沢、脂肪の色と質等がおもな基準となるが、審査員の目も真剣そのもの、「出品枝肉のレベルが高く、どれも甲乙つけ難いですね」と審査委員長。

 そして、セリ直前には審査結果が公表され、最優秀賞には岩手県・大森養豚の出品枝肉(78s)が選定され、枝肉には「最優秀賞」のリボンがつけられた。また優秀賞には、ケイアイファウム北上農場、胆沢養豚、宇野養豚、玉川畜産センターの計5頭が選定された。

 そして注目のセリ。通常はロット単位での応札を行うそうだが、共進会の入賞豚は1頭ずつのセリ。「生産者の努力の結晶です。すばらしい枝肉に高値の評価を期待します」と市場を開設する東京食肉市場兜x永小動物事業部長の挨拶に応札室に入りきれない立見の関係者から拍手が沸く。

 セリは、コンピュータに連動した自動応札機で行われ、電光掲示板の価格を見ながら、買参人がリモコン端末で応札する仕組み。最優秀賞の枝肉はセリの目玉として最後に応札され、注目のセリの結果、伸越商事がs単価5054円で落札。

 ちなみに、出品頭数のセリ平均価格は523円86銭、総売上額は1114万円で、最近の豚価高を反映して堅調な取引となった。

 午後3時から、ホテルパシフィック東京に場所を移し講演・表彰式が行われ、最優秀賞を受賞した大森養豚には、東京都知事賞をはじめ東京都中央卸売市場長賞等計5賞が授与された。

 「出品された枝肉302頭の上物率は77.5%と非常に高く、生産技術の高さが評価されます」と審査講評された(社)日本食肉格付協会船本関東支所長。

 市場を舞台に開催された豚枝肉共進会。市場取引は正当な評価の場であり、市場の活性化という意味からも上場頭数の増加を期待したい。



本記事は、畜産コンサルタント2000年8月号にも掲載されています。
※情報は掲載当時のものです。