畜産豆知識

TMR

 

 TMR(total mixed rations,complete rations,混合飼料)は、乳牛の養分要求量に合致するよう牧草・サイレージ等の粗飼料、トウモロコシや大豆などの濃厚飼料、ミネラル、ビタミン、添加物等をすべて混合したエサの与え方で、牛がいつでも自由菜食できる方法です。

 TMR方式は、分離給飼方式にくらべて、@乳量が多くなる、A乳脂率が高くなる、B飼料代が安くなる、C省力的である、D消化障害が少ないなどの長所があります。一方、TMR方式の欠点は、@粗飼料は切断しなければならない、A飼料の計量機・混合機、給飼機が必要である、B群分けと群の数だけTMRをつくる必要があることです。

 このようなTMRですが、日本ではまだ北海道を中心にわずか5%が実施しているにすぎません。しかし、アメリカでは全酪農家の30%が、また、経産牛が100頭を越える経営では70%がTMRを実施しています。

 アメリカの酪農家のTMRに対する評価は以下のようです。

 (1)偏食を防止することができる。
 TMRは全ての飼料をあらかじめミックスしているので、牛の好物のトウモロコシや大豆ばかり先にたくさん食べることはできない。

 (2)牛は健康状態を維持することができる。
 偏食をすると、飼料の種類によっては第一胃の酸の状態が変化し、アシドーシスという症状が出やすくなりますので、TMRは病気を予防することもできます。

 (3)エサやりの時間と手間が省ける。
 TMRだと飼料給与を一度で済ませることができます。

 (4)投資分は10ヵ月で元がとれる。
 TMRを導入した場合、アメリカでは100頭以上の規模の経営で試算すると、牛舎の改造を必要とせず、また、ミキサーを購入しても乳量増と病気減少などによって収入が増えるので、10ヵ月で元がとれる計算になるといわれています。

 


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