あいであ&アイデア

自動粗飼料(乾草)給与機

中川 訓章

 

 生産性の向上や労働時間の短縮を図りゆとりある経営を実現するため、フリーストール牛舎、ミルキングパーラーなど省力化を図るための飼養方式が勧められている近年、繋ぎ牛舎での飼養管理を工夫し、労働時間も経費だと考え県内で逸早く自動給餌機を導入するなどし、徹底した省力化と分業化を図り、余った時間を利用しコンピューター制御を学び、今年2月に「自動粗飼料給与機」を自作した広島県湯来町の大上弘也さんを紹介します。

 これらの機械を利用した飼料給与システムは、36頭収容の対尻式牛舎に、平成3年導入の自動給餌機(配合飼料)のレール上に今回自作した粗飼料給与機を併設し、1本のレール上をコンピューター制御により、粗飼料と、配合飼料の給餌機が交互に作動する仕組みとなっています。これにより管理者は1日分の乾草(1頭当たり5〜6kg)を給与機のケージの中に入れるだけで、給餌作業は5分もかかりません。

 この作動内容は、飼槽の前・牛2頭の間に約10分間隔で停止(この化主が自由採食)して左右に動く様になっています。1日の稼働回数は6回で、これにサイレージを2回、また自動給餌機により配合飼料が8回給与し、合計1日16回(粗飼料8回、配合飼料8回)にわたり給与します。

 この結果、飼料の全体量は変わらないのに乳量・乳質が向上し、特に脂肪率は良く、牛乳出荷時の脂肪率を見ながら粗飼料給与機の停止間隔(給与量)を調整しています。また、何回も機械が動いて、飼料を口元まで運ぶので牛は落ち着き、体調も良くなっています。一方、牛が粗飼料を採食する場合、往々にして牛床まで引込み無駄にする場合がありますが、その様な無駄も解消されました。

 飼料給与は、最も細かな神経と労力を使う作業であって、それを自作の自動粗飼料給与機と配合飼料の自動給餌機を交互に何回も動かし、また牛それぞれの要求量に合わせて給与出来る方法は、個体管理(制御)の出来るTMR給与方式とほぼ同様の結果となっています。

 この製作に当たり、給与機が一定の目的のとおり稼働するプログラム作成は難しいことではないようで、稼働中の様々なトラブルに対処したプログラムの作成の方に時間が取られたようです。

 当面の改善点は、現在1台のコンピューターで両サイド2台を制御しているところを、それぞれ1台ずつ2台のコンピューターで制御出来るよう計画中です。

 

(報告者:広島県畜産会 畜産コンサルタント)


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