畜産豆知識

除角

 

 牛の品位や資質を判断するとき、昔は牛の角が判断材料の一つとして使われていましたので、牛の角は大切なものでした。だが、現在は牛の改良が進んだ結果、資質の斉一化が進み、牛の角の重要性は薄れてきました。

 例えば、多頭飼育の場合は、競合による角突きで傷ついたり、競合に負けて満足に飼料を採食出来なかったりする牛が出てきます。特に繁殖経営で多頭飼育の場合は、妊娠牛に角が突き当たって流産を引き起こす危険性もありますので、繁殖雌牛を除角することは生産技術として重要なポイントとなってきました。

 とは言っても、まだまだ子牛市場において牛の除角は一般的ではありませんので、すべての子牛を直ぐに除角せよと言うことには無理があります。しかし、少なくとも自家育成する雌牛については、保定がしやすくストレスが少ない子牛の時期に除角してはいかがでしょうか。

 子牛の除角は簡単です。生まれて1週間目位のときに、焼きゴテを角が生える部分に約10秒間押しつけて角根部を除き、角が成長しないようにします。将来、角が生える部分は、その箇所を手で触れて動かすと小さな突起があるのですぐ分かります(図参照)。

 成牛になってからの除角は、ノコギリや専用の除角器を使用します。角は根本から完全に切断すればなかなか再生しませんが、除角が不十分だとまた伸びてきます。除角の時に切断面から血が派手に飛び出てきますが、前もって焼いておいた焼きゴテで出血場所を押さえれば、簡単に止血できます。後は化膿止めの抗生物質かサルファ剤を振りかけた脱脂綿で切断面の周囲を押して消毒すれば大丈夫です。


豆知識【総目次】に戻る