特別企画

ここがポイント! 農機整備(5)

青 木 敬 典

 今回は、農業機械からはちょっと外れた建設機械のバックホーについて考えます。

 バックホーは農家にとって大変重宝する機械で、圃場の整備や畜舎の土台や水回りの整備などいろいろな使い道があります。専門業者に任せると莫大な費用がかかる土木工事も安くあげることができます。

 サンプルとして使用した機械はY社のYB10(写真−1)で10年前に整備料込みで65万円で購入したものです。

 
写真−1 バックホーYB10
エンジン部分

 ラジエター液・エンジンオイル・エアクリーナーの点検を定期的に行ってください。また、ファンベルトの張り・摩耗状況、ラジエターコアの清掃をしていれば、エンジンが壊れることはないと思います。

油圧オイルの点検

 バックホーはエンジンの側面(1)(トラクターと同じ)と後部(2)にオイルポンプがあります(写真−2参照)。これらのポンプによって油圧オイルを加圧して、走行・旋回・アームの作動・排土板の上下を作動させています。高圧ホースだらけで、何がどこの駆動ホースなのか良くわかりませんが、油圧オイルが漏れていると各部がスムーズに作動しなくなるので、直ちに作業を中止して点検する必要があります。

 油圧オイルの点検はオイルタンクのゲージで量の点検を行い、カートリッジ式のフィルターを定期的に交換します。タンクの底にドレン(排出用)ボルトがあるので、少し緩めて少量のオイルを排出し、さびや水の混入がないかオイルの質の点検をすることをお勧めします。水の混入は油圧関係の機器の破損を招き、その修繕にはさまざまな修繕費がかかります。

アーム部分

 関節部分が3カ所あり、それぞれのシャフト部分にグリスニップルが、もれなくついています。特に先端のバケット部分は土の中に入るためガタがきやすいので、こまめにグリスアップをしてください。油圧ホースは旋回時に障害物に引っ掛けやすいので、表面のひび割れやつぶれがないか点検してください。中古を買うときは要注意個所です。

 また、アーム取付け部分に旋回軸用のグリスニップルがあるので忘れずにグリスアップをしてください。格納時は各アームのシリンダーを縮めた状態にして、シリンダーのさびを防止してください。

キャタピラー部分図−1、2参照

 張りの調節はグリスポンプでグリスを入れることによって自動的に張ることができますが、張り調整用のグリスシリンダーのオイルシールが悪くなっていると、張ってもすぐに緩んで、最悪の場合キャタピラーが外れてしまいます。キャタピラーはゴムクローラと違ってC型ピンを抜けばバラすことができますが、圃場での作業は危険が伴うのでしないように、ふだんからこまめに点検を行ってください。

 
写真−2 オイルポンプ


オプション

 写真−3は、所有者(I氏)の創意工夫の産物です。除雪用の排土板・根扱ぎ用の爪・籾殻詰め込み用のバケットなど、単なる土木用機械がこれらのオプションによって何倍もの価値を生み出します。

 このように、バックホーなどの建設機械は、農業機械と違って構造がシンプルで頑丈にできているので、めったなことでは壊れません。しかし免許や道交法の規制があるので、自分の圃場の敷地内で自己責任において使ってください。

 最近は建設業界の不況で中古の建設機械が安く手に入るようになったので、安全に末永く使っていただいて農業経営に活かしてください。

 
写真−3 オプション

(筆者:「農の会」会員)