特別企画

ここがポイント! 農機整備(3)

青 木 敬 典


 今回は、飼料作物の収穫機のスーパカーについて考えます。

 
 スーパカーは1台で刈り取り・細断・積み込み・運搬・排出まで行え、1人作業も可能な大変優れものの機械です。私の地域では大規模な畜産農家が少ないのでスーパカーが普及しています。

 ここに掲載したものは、平成元年に酪農家と肉牛繁殖農家が共同で購入したもので、当初は峠を越えて隣の村でも良く稼いだものでしたが、最近は年に20〜30時間しか稼働していない機械です。アワメータは400時間位で、ここ2〜3年はろくな整備点検はしていないとのことでした。今回と次回の2回に分けて本体と作業機について、点検・整備について書いてみます。

 まず、作業機(コーンハーベスタ)・本体・ワゴン部分を分離します。

ラジエターの清掃

 収穫機械の性格上作物の残渣が舞い散る環境で使用されるので、ラジエターの清掃は欠かせません。これを怠るとエンジンがオーバーヒートして寿命が短くなります。コンプレッサーでコア部分のゴミを吹き飛ばして下さい。

油圧(HST)オイルの点検

 スーパカーはエンジンの出力をベルトで取り出し油圧ポンプを駆動し、送り出されたオイルの圧力で走行モーター・副変速機を動かして走行します。従って、油圧オイル系統はスーパカーの心臓部です。

 油圧オイル交換は初回200時間、その後は500時間ごととなっていますが、この機械はまだ交換したことはなく、悪いことにオイルの持ち合わせがなかったので、車体の前面をジャッキで20cmほど持ち上げ静置し、オイルタンクのドレン(排出ボルト)を少し緩めオイルを少量排出し、オイルの状態を点検しました。オイルタンク内に水やゴミが混入しているとオイルポンプ・モーターが故障し、大変高額な出費が強いられます。油圧オイルのフィルターはカートリッジタイプと油圧タンク内のサクションフィルターがありますが、オイル交換時に点検し交換・洗浄をします。交換時はゴミが混入しないよう細心の注意を払ってください。(スーパカー純正油圧オイル32lを使用のこと)

走行ロッドの調整

 走行レバーを中立にした時に車体が動くのは大変危険です。この機械も前進しました。オーナーから「恐いから何とかして欲しい」と強い要請がありましたので調整しました。やり方は車体左の燃料タンク下の走行ロッドで行います。エンジンを始動し走行ロッドの左右ロックナットを緩めアジャスターの長さを伸縮させ中立位置で固定します。この時車体があらぬ動きをすることがありますので、できれば補助者にエンジンキーによる緊急停止をお願いしておくと危険防止になります。

タイヤ

 タイヤは8輪あります。従って中の1輪ぐらいパンクしていても分かりません。空気圧のチェックはこまめにやってください。この機械も右側の3番目のタイヤがパンクしていました。くぎを拾ったのではなく、タイヤの肩の部分に突起物が噛んだのが原因のようでした。パンクしたまま使っているとチューブのバルブ部分が裂けてしまうので早期発見が必要です。(空気圧は1.8〜2.0kg/cm2

 また、スーパカーは重量バランスが前寄りなため一番前のタイヤに負担がかかり摩耗が激しくなりますので駆動軸のガタの点検やタイヤのローテーションも行ってください。

 ラジエター液・エンジンオイル・エアクリーナ・燃料フィルター・ファンベルトなどの点検については初回のトラクターの項と重複するので省略します。

 
写真−1 スーパカー本体

 


写真−2 スーパカーラジエター

 


写真−3 HSTドレン

 


写真−4 走行ロッド

 

 次回はオイル交換の実際と作業機(コーンハーベスタ)の点検について考えます。

(筆者:「農の会」会員)