採食ロスはこれで激減!

村 上 明 弘

 土木工事などで使うコンクリート槽や市販の簡易飼槽には、そのまま使うと以下のような弱点があります。

 こんなに短所があるのなら、完全な飼槽を作ればよいのですが、現実の経営においては簡易飼槽で一時をしのいだり、動かせる飼槽でないと困る場合などが多々あります。

エサを前方に跳ね上げて落としたり、放り上げて散らかしたりします。
隣牛を追い払い、飼槽を占拠する牛がでます。
飼槽に対し斜めに採食する牛がでます。そのため、他の牛の採食幅が減ったり、何かのはずみで飼槽に仰向けに転げ、そのまま“ガス腹事故”を起こす牛がでたりします。
足を飼槽に突っ込む牛がでます。
またいで脱出する牛もでます。

 育成牛群や乾乳牛群、一時的な入換え搾乳牛群やパドック飼槽などの場合です。

 そこで写真−1写真−2のように電牧線をセットします。エネルギーは写真−3のソーラーパネルです。牛はわずかな不安を抱きながら飼槽に頭を突っ込みますので、頭の可動範囲はそう大きくならないようにセッティングします。すると、上記の弱点はかなり改善されます。特に、エサのこぼれは相当に減ります。

 注意事項は、以下のとおりです。

 応用例の一つに水槽があります(写真−4)。それにより遊び半分の飲水が減ります。

飼槽と電牧線の間隔をあまりにも狭くすると採食が大幅にダウンします。ストレスも過大になります。
反対に広くとりすぎると効果は半減します。
結局、「ちょうど良いのがちょうど良い」が施設寸法の原則ですから、ピッタリなセッティングになるようにそれぞれで試行してください。
長い飼料の給与はダメです。エサは引出され、電放線がすぐ垂下がります。

 なお、側溝型の飼槽は、首締めを防ぐため、牛側の壁面高を成牛で高くても60cm弱に抑えます。壁面が斜めのタイプは、外側を高めに傾斜させセットするなら、70cmまで何とかなるかと思います。

 できれば、両サイドに直立した壁のないタイプを使う方が無難です。排水や掃除が容易で、かつ連結使用も容易だからです。

 
写真−1 電牧線をセットした飼槽


写真−2 セッティングには試行が必要


写真−3 ソーラーパネルを利用した電源


写真−4 水槽に応用した例


(報告者:北海道十勝北部地区農業改良普及センター・主査)