稲ワラ集め効率化アタッチメント

美斉津 広之

 近年、本県の酪農経営においても牧草の活用が増えてきました。特にロールベールの形態が普及し、これに伴い大型のトラクターならびに付帯する機械も多様化しており、効率化の反面、コストが高くなりがちです。

 今回、ここに紹介するアイデアは、ロールベールで使用するロールグリッパーにちょっと工夫を行い、稲ワラの収集と積込み作業で威力を発揮するアタッチメントで、作業の効率化と労力の軽減、また機械の有効活用にも役立っているものです。

【考案者と動機】

 これを考案したのは、経産牛50頭、育成牛30頭と牧草地等20haを経営する、長野県南牧村の29歳、吉沢益次郎さんです。

 吉沢さんは酪農経営、お兄さんが野菜経営を分担する複合経営で、稲ワラの利用量が多く、ダンプ1台に約300束で、年間6000束を他の農家と共同で集めています。

 当地域は県下でも有数の高原野菜と酪農経営が盛んな地域で、どのお宅でも稲ワラの利用量が多く稲ワラ集めは大変に労力を要しており、トラックへいかに多く積込むか等工夫しながら、なるべく効率的に運びたいと考えていたようです。(話を聞けば、稲ワラ集めも結構奥深いものがあり、感心させられました。)

【アイデア付属器具の内容】

 形状は図−1のとおりで自分で設計を行い、ロールグリッパーが閉じたときに当たらないように、またグリッパー部を地面に下ろしたときにアームに取付け易いような高さに設計し、ネジ4本でアームに固定できるようにしてあります。大きさは縦、横1.2メートルほどで、重さは20〜25kg程度の鉄製で、1人で扱うのにちょうど良い重さです。脱着は5分程度です。(写真−1写真−2写真−3)農協の機械センターに製作を依頼し、経費は全部で1万5千円程です。

【作業性】

 今までワラ集めのときは、フロントローダにバケットを装着し、いったんバケットに稲ワラを載せながら集め、それをダンプトラックに移し変えていたため、作業効率が悪いのが難点でした。またトラックの上で作業する人の姿が、バケットが邪魔で見え難く危険性が高いこと、トラック上の作業者もバケット自体の形状や大きさが邪魔で作業性を悪くしていたこと、量的にもバケットでは少ないなどの難点があったそうです。

 このアタッチメント製作により、これらの難点は一挙に解決し、アタッチメントが台、棚の役割をするため、トラック上の微妙な積込み作業が楽になり、量的にも多く運べて、他の農家でも欲しいとの注文がかなりあり普及してきているそうです。

 稲作農家には水田での稲ワラの積み方(図−2)でご苦労頂くことはありますが、ちょっとした工夫で作業や機械の効率化が図れるものだと大変感心しました。

 
図−1 アタッチメント


水田に10束ずつ積み上げ

図−2 水田における稲ワラの積み方


写真−1 取付け


写真−2 稲ワラを一気に掴む


写真−3 作業性は抜群

 
(報告者:(社)長野県畜産会・総括畜産コンサルタント)