『ふん尿撹拌機』と『お見通(透)しドア』

佐藤 彰

 海外研修でドイツを訪問した時、新築して間もない養豚場で見かけました。一つはふん尿撹拌機で、左右の豚房の真中が管理用通路になっており、その通路に立てていました。豚舎の構造は床(豚床)がスノコ式になっており、ここに落ちたふん尿が通路下の集留槽に集まるようになっています。通路にみえる円い蓋(写真)を外し、開いた穴のうえに撹 拌機を立てます。撹拌機は高さおよそ150cmぐらいで上部にはモーターが、下部には2枚のスクリュー羽がつき、フレームのなかをモーターとスクリューが手動で上下にスライドするようになっています。つまりこの穴からスクリューを差込み集まったふん尿を撹拌することによって固形物を粉砕し、液化を促しています。また、撹拌することによって床下 の集留槽内での沈殿を防いでおり、後にスラリータンクへ移送されます。

 もう一つは全面ガラスドアです。わが国でも全自動空調装置を備えた豚舎はめずらしくありませんが、この施設も同様にほとんどの豚房内が空調装備されており、通路や他の部屋などには備わっておりません。そこで豚房内での作業などによるドアの開閉はやむをえないことですが、飼養管理においてたいせつである日常的な見回りや、観察によるドアの開閉も少なくはなく、これによって豚房内と外部の温度変化が生じることから、全面ガラスドアによって開閉をしなくてもなかのようすを窺うことができるようになっています。従来はドアに小窓がついていて、そこからのぞく程度の観察であったものが、これによって豚房内のほとんどを見透すことができ、真にお見透しドアでありました。

ふん尿集留槽撹拌機

ふん尿集留槽撹拌機

ふん尿集留槽を撹拌するため通路上に
円い蓋のついている穴がある

集留槽

(報告者:岩手県畜産会・業務部長)