牛床の簡単な滑り止め

宮 崎 美 伯

 フランス中部の酪農家でのこと。牛舎のコンクリート床に不思議な模様がついていました。経営主に「これは何ですか?」と聞いたところ、「ああ、それは牛の爪が滑るのを防止するためにわざとコンクリートに凸凹をつけておくんだよ。このあたりは内陸部の気候なので、昼夜の温度差が大きく強風時はすぐに出入口に氷が張ってしまう。牛が出入りする場所はとくに注意が必要で、ここらに住んでいる人は牛舎だけでなく、自宅にもやっているよ」という答えでした。

 たいへん簡単明瞭な答えでしたが、生活の知恵が生かされており、事故防止や効率を重視した牛舎設計であると感心しました。

  滑り止め構造の通路

牛舎の出入口のコンクリート床部分はコンクリートが乾く前にわざと凹部分を作り、牛の爪がひっかるようにして、凍結時に滑らないようにしたものです。

(報告者:群馬県西部家畜保健衛生所衛生課課長代理)