木南　章（東京大学大学院農学生命科学研究科）

１．調査年次の経営概況と時系列比較分析

表１：経営実績の年次別変化（平成３〜９年度）

	平成３年度	４年度	５年度	６年度	７年度	８年度	９年度
集計戸数	40	46	32	30	32	22	25
労働力員数　 　（人）	2.4	2.0	2.0	2.2	2.1	1.6	1.8
うち家族労働力員数 　（人）	1.7	1.6	1.5	1.8	1.7	1.4	1.6
平均飼養羽数 　　 　　　　　（羽）	30,886	27,822	27,694	28,370	30,756	17,694	31,678
年間出荷羽数　 　　　　　　　（羽）	166,678	148,965	147,390	148,957	127,900	101,918	122,103
家族労働力１人当り年間経常所得　（千円）	3,155	3,087	1,734	2,285	3,780	4,611	2,769
平均飼育羽数 100羽当り年間経常所得（円）	25,075	14,394	13,368	12,006	22,408	58,975	22,368
出荷 100羽当り経常所得 （円）	4,323	2,725	2,476	2,298	4,934	9,827	3,888
出荷 100羽当り販売価額 （円）	52,154	47,611	47,504	45,068	46,027	49,403	51,068
100羽当り出荷時平均生体重量 （kg）	271.6	268.7	271.4	274.4	285.9	286.0	288.9
生体換算１kg当り販売単価 （円）	192	177	174	164	161	172	175
育成率 （％）	95.1	93.5	94.4	95.2	95.4	96.0	95.7
飼料要求率	2.27	2.28	2.26	2.24	2.25	2.24	2.30
年間出荷回転率 （回）	5.70	5.70	5.65	5.52	5.06	5.96	5.14
平均飼育日数 （日）	57	56	56	56	56	59	60
労働力１人当り平均飼育羽数　　 （羽）	13,025	14,771	15,094	13,271	14,329	10,826	15,872
労働力１人当り年間出荷羽数　　 （羽）	73,630	84,729	84,013	71,547	62,582	63,624	63,068
出荷 100羽当り年間労働時間　　　（時間）	3.5	3.3	3.1	3.9	3.9	4.3	4.7
雇用依存率 　　　（％）	15.8	19.9	20.9	18.2	18.0	9.4	12.2
所得率 　　　 （％）	8.2	5.5	4.9	4.8	9.6	13.6	7.7
鶏舎１m2当り年間経常所得　　　　 （円）	2,727	1,922	1,929	1,497	4,473	4,957	2,435
鶏舎１m2当り年間出荷羽数 　 　　（羽）	65.0	64.6	66.4	73.2	70.2	70.6	73.6

(1)経営規模
調査経営の平均飼育羽数は，変動しながらも３万羽程度。
　１人当り飼育羽数も変動しているが，15,000羽程度まで増加。
　労働力に関しては，家族労働力が約 1.5人で一定であるが，雇用労働力がやや減少。
(2)生産性
労働生産性は下降傾向にある反面，施設生産性は上昇傾向にある。
　出荷 100羽当りの労働時間の減少は停滞している。
(3)技術成果
　技術的指標に関しては，大きな変化は見られない。
　飼料要求率，育成率，平均飼育日数は変動しながらも，ほぼ一定である。
　出荷体重は増加傾向にある。
(4)経営成果
１kg当りの販売単価は，低下傾向にあったが，平成８年度から再び上昇傾向にある。
　収益性を示す１人当り所得・１羽当り所得の指標は，大きく変動している。
平成８年度は収益性が高かったが，９年度は大幅に低下している。