―若い力と育種価で早めよう和牛改良、伸ばそう生産―
和牛改良の促進目指し、産肉、種牛能力を競う
第8回全国和牛能力共進会

 

 5年に一度の“和牛のオリンピック”、第8回全国能力共進会岐阜県大会が9月26〜30日、清見村の県畜産研究所などを会場に開かれた。全国36道府県から過去最高の469頭が出品、体型、産肉能力を競った。ファームフェスティバルも同時開催され、和牛の安全・安心をアピールした。





 和牛チャンピオンカーニバルを全体コンセプトとする今大会は、共進会とファームフェスティバルinぎふの2本柱で展開された。

 共進会は「若い力と育種価で早めよう和牛改良、伸ばそう生産」をテーマに、種雄牛の世代交代を早め、改良速度を上げる体制づくりを課題とした。
 前回の岩手大会から出品条件となった産肉能力に関する育種価に加え、新たに種牛能力の育種価を導入。種牛性と産肉性を総合評価する出品区(第8区)を設けたほか、種雄牛に年齢制限をつけ若い種雄牛の発掘にも重点を置くなど、能力重視型の審査となった。





 道府県ごとに選抜、出品された種牛283頭、肉牛186頭が厳正に審査された結果、最高位の名誉賞には、種牛の部(第1〜8区)で第8区(総合評価群)の「光平福」号の娘牛群および去勢肥育牛群を出品した岐阜県・飛騨地区和牛育種組合と飛騨地域飛騨牛生産組合、肉牛の部(第9、10区)は第9区(若雄後代検定牛群)の大分県「寿恵福」号の産子が選ばれ、それぞれ内閣総理大臣賞が授与された。





 また、肉牛の部は枝肉審査後、今春新設された飛騨食肉センター(高山市)でせりが行われ、最優秀枝肉賞に輝いた第10区の岐阜県国府町・牛丸畜産出品の「幸安4の2」号(種雄牛「飛騨白清」号)が1s当たり10万6100円(1頭単価4465万7490円)という大会史上最高値でせり落とされるなど、BSE発生以来の低調な市況を吹き飛ばすような活況ぶり。



 同時開催の「ファームフェスティバルinぎふ」では、一般来場者に畜産を広く、理解してもらい、今後生産と消費がより連携していくために、見て食べて楽しむための多彩なイベントが繰り広げられた。


  




 とくに、和牛の安全、安心を訴求した牛肉の試食や飛騨牛バーベキューコーナー、岐阜県が実施している県牛の生産情報ネット開示システム「カウベル」の紹介などが注目を集めていた。会期中の来場者は約30万人。

 次回開催は鳥取県の予定。(関連記事50〜61ページ参照)

  



畜産コンサルタント11月号  2002
※情報は掲載当時のものです。